カースタイリング(CarStyling)連動セミナー


UDT(ユニバーサル・デフォーメーション・テクノロジー) によるモデル変形

アプリクラフト・中島 淳雄

ここでは、自動車モデリングから離れ、より少し有機的な形状を題材に話をしてみよう。
フナのような生物は、無機質な工業製品と異なり、曲面で形状表現する場合、はるかに多くの情報量を必要とする事が多い。
この結果、CGでは、テクスチャマップ等を使用してレンダリング時にそれらしく表現するわけだが、ここでは可能な限り魚(フナ)題材にモデリングをしてみよう。


※画像はクリックすると拡大します

解説図


まず、フナの全体図だ。
フナの胴体部分や頭の部分に関しては、Rhinoモデリング読者には簡単に出来るなずだ。
3次元のワイヤーフレームを作成し、自動車のボディー同様作成すれば良い。
また、さらにオーガニック・モデリングの手法で、形状を造り上げていく事も容易だ。


解説図


難しいと思われるのは、フナのひれの部分であるが、これをまともにモデリングしようとすると大変な手間になる。
ここでは、Rhino4.0での新機能、UDT(ユニバーサルデフォーメーションツール)を使用してモデリングしてみよう。


解説図


尾びれの部分を例に説明する。
まず、尾びれの2次元的な形状は、4つの辺からなる形状で描いておく。
次に、EgrSrfコマンドまたは、NetworkSrfコマンドでサーフェスを作成する。
更に、矩形の平面サーフェスを作成しておく。
後で、UDTのうち、FlowalongSrfというコマンドを使用するが、矩形のサーフェスがベースサーフェス(基準サーフェス)、ひれの形をした平面サーフェスがターゲットサーフェスとなる。


解説図


次にベースサーフェスにフィットする蛇腹状のサーフェスを作成しておく。
ひれは、根元部分が太く、先端部分は直線的にになっていると考える。
根元部分の断面形状と先端部分を直線で定義、後は必要に応じて、途中の断面形状を定義し、同様に、EgrSrfコマンド、NetworkSrfコマンド等で作成する。Loftコマンド、Sweep2コマンドでも作成出来る。


解説図


次に、FlowalongSrfコマンド(旧名称、Sporph)で、蛇腹状のサーフェスを選択し、最初にベースサーフェス、次にターゲットサーフェスを選択してやれば、ターゲットのサーフェスに合わせ、形状変形され尾びれが作成出来る。


解説図


他の背びれ、胸びれ等も同様に作成する。


解説図


出来たフナに対して、Rhino3Dモデリング本誌の通り、今度はフナ全体にFlowalongSrfコマンドを実行し、和きん、りゅうきんに進化させる事が出来る。


解説図

ランプスタンドのようなものも同様に作成出来るが、ここではガラス器を表現するにあたり、ひとつテクニックを使ってみよう。
通常、ガラスというものは、厚さが均一では無いので、それゆえ実際のガラス器は反射、屈折に微妙な揺らぎがありものである。
この揺らぎ感は、回転体に与えるのは難しいので、しサーフェスを定義するコントロールポイント意図的にずらし揺らぎ感を与えておくとそれらしい表現が可能になる。
先ほどの、フナのひれと同様にFlowalongSrfコマンドを使用する。


解説図
解説図


この際、変形させるサーフェスの形状のコントロールポイントがあまりにも規則的に配列しているとガラスの揺らぎ感が出ないので、わざとコントロールポイントの位置をずらしておく。
このとき、アプリクラフト提供の、“PDQツール”を使用して、簡単にコントロールポイントの位置をずらしてから変形をかけるとガラスの揺らぎ感が表現出来る。
(注;“PDQツール”はRhino3.0でのみ動作-2006/7/10時点)


解説図


さらに、UDTのTwistコマンドで、全体的にねじりを加え、完成だ。

数学で表現された形状モデルをそのまま使用すると、場合によっては面白みの無い表現になってしまう場合がある。意図的に形状を歪ませることにより表現の幅が増す。




これらのモデルは、本誌で紹介している携帯電話のモデルの変形した例と合わせてダウンロードして試されたい。

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