カースタイリング(CarStyling)連動セミナー


面構成モデリングとオーガニック・モデリング

アプリクラフト・中島 淳雄

第8章、第9章のオーガニック・フォーム・モデリングのエクステリア及びインテリアのモデリングを担当させてもらった。

当初、イメージしていたオーガニック・フォーム・モデリングは全体のボリューム感をイメージしながら、大体の概略の形状を造り込んで行き、ある程度、形状が意図した形になった段階で、面構成によるモデリング手順で行えば良いというものであったが、モデリングノウハウを知らないビギナーでもどこまで形状表現をデジタル上で追求出来るかオーガニック・モデリングでその限界値を知りたいという山田氏の熱意におされ、徹底したコントロールポイントの編集で形状を造り上げていくことになった。
通常はデザインスケッチから入るのであろうが、今回は、自動車のホイールベースや、車高・車幅等を決定後は、感覚的に自動車の2DスケッチをいきなりRhinoの各ビュー上で描くことから入り、実際モデルを作成しながら、何回もフィードバックしながら造っていった。
ラフな手描きのスケッチは描いたが、それは頭の中で、形を整理するのが目的で、最終的なイメージスケッチ画は一切無い。
オーガニック・フォーム・モデリングを通じておもしろかったのは、形が具体化出来ていくと言う実感があることだ。
制御点を一つ引っ張ることにより、自分が造り上げたい形になっていく心地良い達成感がある。
実際に出来上がったモデルは、デザイン意図の検討という側面で達成出来たと思う。
エクステリアに関しては、イメージを確認するという目的ではあそこまで造り込む必要はないかもしれない。また今回は、意図的に1枚のサーフェスにこだわって造り上げていったが、これも適当な部分に分けてそれぞれ行う方法もある。実際にはそういうアプローチになろう。
インテリアに関しては、設計に使用出来るレベルまでオーガニック・モデリングで出来る。

さて、エクステリアに関しては、オーガニック・フォーム・モデリング終了後、山田氏とこれを基に面構成モデリングで製造品質を求めたモデルを造り、読者に対して提示する必要があるということになり、面構成によるモデリングを行うことになった。
基本的には、第1章から第7章までのやり方で、行う訳だが、既に大まかな形状は出来ているので、まずその検討から入る。


※画像はクリックすると拡大します

解説図


既にオーガニック・フォーム・モデリングでマッス(3次元空間中の塊)は出来ているので、重要なキャラクターラインを検討していくことが出来る。
まず基本のワイヤフレームを作成。ウインドシールド部を拡張し、フロントフェンダーのサイドの膨らみを押さえながら、上部は強調するようにした。


解説図


基本のワイヤフレームを作成したら、面構成に適したカーブになるように各部位のキャラクターラインを作成する。


解説図


この面構成を元にサーフェスは作成していく。


解説図


ゼブラマップで面の品質を確認。


解説図


ハイライトでも面の品質を確認。


解説図


最初の面構成モデルをあらゆる方向から確認し、バランスが取りながらキャラクターラインを玉成していく。
キャラクターライン同士、端部で交差していることを確認。


解説図

キャラクターラインの曲率を表示し、見た目だけでなく、カーブが持つ曲率が滑らかに変化しているかを確認する。このモデルは重要なキャラクターラインは全て、5次のカーブで作成している。
Rhino3.0のサーフェスコマンドは、“EdgeSrf”を除き、高次のカーブから作成しても3次の曲面を生成する。高次のカーブから作成したサーフェスの方がより品質の高いサーフェスを作成出来るのでこのモデリングでは、5次のカーブで行った。


解説図
解説図


再度、ゼブラマップやハイライトでも面の品質を確認する。
最初のモデルに比べ、ヘッドライト部の面のつながりが改善されているのが分かる。


解説図
解説図


360度全ての方向から確認していく。
後部スリークォーターからは見た場合、リアとボディーの部分のつながりがいまいちであるが、これは後でフィレットをかけてしまうので問題は無い。

ウインドシールド部も同様に行う。
この後、ホイールアーチや細部の造り込みを行うが、ここまでに要した時間は全工程の約90%である。 基本形状が最も重要なのは言うまでも無いが、納得のいく基本形状まで何度も試行錯誤して造り上げた 。



解説図
解説図


第6章を参考にホイールアーチを作成する。
フロントのホイールアーチ上部は、ボディサイド上部をそのまま使用し、ホイールアーチ下部をなじませるように作成した。


解説図 解説図

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細部の造り込み、ライトやグリル、排気管、ディフューザー等を造り込んでいく。タイ、ナンバープレートを付けると自動車らしくなってくる。フード、ドア、トランク等の分割を行うとレンダリングのときに本物らしくなってくる。楽しい作業だ。


解説図 解説図

解説図 解説図



完成モデルで、ゼブラマップやハイライトでも見たところ。


解説図 解説図

解説図



Flamingoでレンダリングしたもの。




以上であるが、興味があれば、このモデルのワイヤフレームデータと、オーガニック・フォーム・モデリングで作成したモデルを入れたRhinoモデルをダウンロードして試されたい



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